第6回合同発表会 開催(9/17)

2017年9月17日(日)エリザベト音楽大学セシリアホールにて、付属音楽園 第6回合同発表会(14時開演・入場無料)が行われます。
合同発表会は、レッスン部門からオーディションで選ばれた園生によるソロ演奏と、プエリ カンタンテスによる合唱演奏の2部構成となっています。
第1部
児童(女声)合唱組曲「虫の絵本」より「テントウムシ」と「セミ」(作詞:まどみちお 作曲:吉岡弘行)
第2部
「かみさまのあいを」(作詞・作曲:田端孝之 )
カトリック典礼聖歌「しあわせなかたマリア」(作曲:高田三郎)
グレゴリオ聖歌「アヴェマリア」
第2部はオルガン伴奏で歌います。
201609a.jpg
昨年の演奏会の様子

そこで、この日にいらっしゃるお客様だけでなくレッスン部門の音楽園生にも魅力を知っていただきたく、今回はこの演奏会のプエリカンタンテスの合唱曲の聴きどころをインタビューしました。
第1部の合唱組曲「虫の絵本」について 昆野 智佳子先生に聞きました。
1. この曲はどこで初めて出会いましたか?
正確な時期は覚えていませんが、まだプエリの指導に関わるより前、どこかの児童合唱団が歌っているのを聴きました。とても印象に残ったので楽譜を探し手元に置き温めていました。

2. 詩を朗読して何を感じますか? 何を感じてほしいですか?
「テントウムシ」
いま、子どもの皆さんは詩そのままこびとさんに、語りかけてください。かつて、子どもだった皆さんは、幼いころ感じていたこと、考えていたこと、見えていたもの...、そんなことに思いをはせていただきたいです。
「セミ」
私に「いのちのバトン」が回ってくるまで、どれだけのいのちが繋がってきたのだろうか。そして私が渡すバトンはどこまで続いていける のだろうか。「いのち」が熱く燃え、そして燃え尽きるまで、ただひたすらに生きる。私には、最後の言葉「ばんざい ざい ざい」はすべてのいのちの叫びに聞こえます。

3. 今回は組曲抜粋のため歌わない「ガガンボ」も素敵な曲です。どんなところが好きでその魅力は何ですか?
「ガガンボ」という言葉の響きもおもしろく、歌もリズミックなところが好きです。強い虫を想像してしまいますが、「ガガンボ」という昆虫は実はとても貧弱な虫なのです。さらに興味がわきます。

《最後に一言メッセージ》
この曲は、シンプルな中にとても強いエネルギーを私は感じます。曲のもつエネルギーそのままに生き生きとした表情で団員は歌っています。歌の旋律はもちろん、ピアノの旋律もまた素晴らしくて、私はそこが大好きです。詩にもとても魅力を感じています。
団員ひとりひとりの個性がそのまま集まって、それがプエリというひとつの個性となり、会場いっぱいにプエリの歌声を響かせたいと思います。ぜひご来場いただきお聴きください。
201609b.jpg
次に第2部の3曲について高橋愛先生にお伺いしました。
かみさまのあいを 作詞・作曲:田端孝之
1. この曲はどこで初めて出会いましたか?
子どもが通っている幼稚園で出会いました。素直な歌詞と、子どもたちのピュアな歌声に、聴くたびに目頭が熱くなってしまいます。

2. どうしてこの曲を選びましたか?
プエリの団員たちの素直な心にもぴったりの曲だと思いました。

3. この曲の魅力と好きなところはどこですか?
歌詞です。

泣いている友達に
冬の太陽のように
届けよう 心から
神様の愛を

大好きな友達と
夏のそよ風のように
届けよう世界中へ
神様の愛を

冬の太陽のように、ほんわかと、夏のそよ風のように、爽やかに、優しさを届けられる人になってもらいたいし、私自身もそうでありたいと思います。

4. 団員が歌ってみてどうですか?
プエリの素直な心と歌声にぴったりだと思いました。

カトリック典礼聖歌「しあわせなかたマリア」作曲:高田三郎
1. この曲はどこで初めて出会いましたか?
私の所属しているエリザベトシンガーズが高田三郎の典礼聖歌を3枚CD録音しており、その中の1曲です。
IMG_2309.jpg

2. どうしてこの曲を選びましたか?
高田三郎の典礼聖歌は、だれでも歌いやすいように作曲してあります。 宗教音楽を堅苦しくなく歌えることで選びました。

3. この曲の魅力と好きなところはどこですか?
マリアさまのお祈りが、子どもたちにも意味が伝わりやすく歌えるところです。

4. 団員が歌ってみてどうですか?
宗教音楽に出会い、マリアさまって?イエスさまって?イエスさまのお父さんは?いろいろな疑問が出てきます。 そういうことも、私も勉強しながら、団員たちに伝えていきたいと思います。

グレゴリオ聖歌「アヴェマリア」
1. この曲はどこで初めて出会いましたか?
エリザベト音楽大学に在学中、グレゴリオ聖歌の授業で出会いました。 卒業してからも何度も歌っています。

2. どうしてこの曲を選びましたか?
歌の原点であるグレゴリオ聖歌に触れてもらいたかったからです。

3. この曲の魅力と好きなところはどこですか?
通常、グレゴリオ聖歌は無伴奏で歌われるのですが、この度演奏しますアヴェマリアにはオルガン伴奏が付いています。

4. 団員に伝えたいこと
ラテン語で歌う『Ave Maria』と日本語で歌う『しあわせなかたマリア』、原語は違っても意味は同じですので、味わって歌えるのではないかと思います。 もともとグレゴリオ聖歌は5線ではなく、4線のネウマ譜で書かれていますので、このネウマ譜についてもレッスンで触れようと思っています。
もうひとつはオルガンについて
エリザベト音楽大学のセシリアホールには、立派なパイプオルガンがあります。パイプオルガンのあるホールはなかなかありませんし、その伴奏で歌うという機会もなかなかありませんので、プエリの団員はとても貴重な経験をすることができます。
オルガンを弾いてくださる、音楽園オルガン講師の高橋先生も「プエリの子供たちと共演することを楽しみしています」と言ってくださっています。 ホールでのリハーサルでは、パイプオルガンはどのようにして音が出るのかも伝えたいと思います。

5. なぜ宗教曲を歌いたいと思いましたか?
まず、音楽園の母体であるエリザベト音楽大学がカトリシズムの精神に基づいて創立され、かつそれを指導原理としているからです。 私は、カトリックの信徒ではありませんが、宗教曲を歌うことによって、他人や、自分を大切にすることや、いつも愛されているということを伝えられたら(感じてもらえたら)いいと思ったからです。

今回歌うグレゴリオ聖歌の「アヴェマリア」の楽譜はエリザベト音楽大学同窓会オリジナルグッズのシールやエリザベト音楽大学3号館のガラス面にデザインされています。
20170612c.jpg
エリザベト音楽大学同窓会オリジナルグッズ

20170612a.jpg
エリザベト音楽大学3号館ガラス面

レッスンでは、子どもたちにもっとマリアさまやイエスさまを興味をもち知ってもらうためレッスンで絵本を読み聞かせました。 高橋先生はエリザベト音楽大学のお隣の世界平和記念聖堂にあるパウロ書院で『きかせてくださいマリアさま』という本を神父様から勧めてもらい、その本を読みました。 年老いたマリアさまが、自分の生涯を振り返って、子どもたちに、計り知れない神さまの愛について語る......という絵本です。 団員は静かに聞いています。
20170612d.jpg
《最後に一言メッセージ》
第2部では、ピアノ伴奏とは違い、体に響くオルガンの音に団員たちの声がのびのびと乗っていくのを楽しみに聴いてください。
オーディションに合格した、頑張っている音楽園生の演奏の間で歌うので、プエリもいつにも増して頑張って練習に取り組みます。 そして、合同発表会は、新たなこと(特別なこと)に挑戦できる場でもあります。 今まで、打楽器やパイプオルガンと共演させていただきましたし、昨年はアカペラのわらべうたにも挑戦しました。
合同発表会後に入団してくださる方も多いので、プエリを知って頂けるチャンスと、団員、指導者ともに頑張ります。

07BCA9D9-7412-45A1-8BFE-4F5CA8343060.jpg
オルガン演奏の髙橋 孝子先生
1. オルガンという楽器について子どもたちのために教えてください。
パイプオルガンは、ドイツでは「楽器の女王」と呼ばれるほど大きく、教会や音楽ホールなどいろいろな場所で活躍する、生活の中心にある楽器です。金属や木製のパイプが正面に何本も立っていますが、ここで見えているのはほんの一部で、実際は裏側に何千本も立っています。
何千本も必要な理由は、パイプは1本でひとつの音しか出せないからです。このパイプはフルートのような音色のド専用、このパイプはトランペット系の音色のレ専用、というような具合です。だから、ある音色を低い音から高い音まで56鍵分出したいなら、56本のパイプが必要となります。さらに、トランペット系の音色、フルート系の音色と、音色を3つ揃える場合には、56×3で168本要ることになります。つまり、出せる音色を増やすほどパイプの本数が増え、楽器が巨大になるのです。

2.場所によってオルガンはいろいろあるそうですが、音大のオルガンはどんなオルガンですか?
パイプオルガンは、作られた時代によって(古いものは14世紀のものが未だに演奏されています!)、国によって、またカトリックかプロテスタント教会、など置かれる場所で、大きさ、音色、形が大きく異なります。
エリザベト音大には練習用の小さいものから、セシリアホールの大きなオルガンまで沢山のパイプオルガンがあります。皆さんが目にする機会の多いセシリアホールのオルガンは、ドイツのボンという町の、クライス・オルガン工房で作られました。3つの手鍵盤と1つの足鍵盤、音色を作るストップの数は38個、そのパイプの数はなんと2,740本です。

2. オルガンとの出会いや音楽に進むきっかけなど教えてください。
毎年クリスマス・イブになると、家族でお隣の世界平和記念聖堂のミサにいくのが慣わしでした。そこで聴いた荘厳なパイプオルガンの音が忘れられず、また、広島女学院中・高校で毎朝オルガンの伴奏で讃美歌を歌ううちに、自然とオルガンについて学びたいと思うようになりました。どっしりとした大きな音色に包まれて演奏をすると、気持ちがすっきりとします。
E04A0336-DD35-4B75-A5B8-B388140345D7.jpg
若き日のJ.S.バッハが何時間も即興演奏したといわれているドイツ・ハンブルク市・カタリーネン教会のオルガン。当時の姿そのままです

3.プエリ合唱団と共演したことありますね?印象教えてください
まだ楽譜も読めない小さな子を、大きな子たちがやさしく助ける、アットホームな雰囲気に思わずこちらも笑顔になりました。指揮の高橋先生と昆野先生の指導のもと、練習のときは音楽に真剣に向き合い、休憩時間にはみんなで輪になって遊ぶ、メリハリのある姿勢と集中力におどろかされました。天使の歌声と、オルガンは相性ぴったりですね。

5.その他なんでもドイツの話でもなんでも
オルガンの勉強をするためにドイツに渡り、以後14年に渡って教会でオルガンをひいたり、子供からお年寄りまで、沢山のドイツの方たちを指導する、教会音楽士という仕事をしてきました。その中で一番印象的なのは、何人でも人が集まると、必ず歌を歌いだす、ということです。どんなに学校や仕事で疲れていても、合唱の練習にはいつも沢山の人があつまり、楽しく歌い、人生について語り合っていました。日本でも、音楽がもっと身近になり、生活に溶け込んでいくといいな、と思っています。音楽と共に、こころ豊かな毎日をすごしていきたいです。
33E71E23-F60A-4428-B014-9DDC07695A22.jpg
同じくカタリーネン教会。礼拝で伴奏中。4段鍵盤ペダル付

合同発表会では演奏会の最後、合同ステージがあります。プエリカンタンテスだけでなく、お客様と一緒に全員で歌います。レッスン部門の講師や園生全員で楽器も加わり演奏します。今年は、気球にのってどこまでも (東龍男作詞、平吉毅州作曲)を歌います。 この曲は1974年の第41回NHK全国学校音楽コンクール小学校の部課題曲でした。小学校の教科書にも多く取り上げられています。 保護者の方もこの曲を聞けば、昔子どもの頃歌ったなあと、ノスタルジックになる曲だと思います。
201609c.jpg
昨年まで、この合同ステージでは、教科書に多く取り上げられている「小さな世界」ディズニーテーマパークのテーマソングや、「ドレミの歌」ミュージカル『サウンド・オブ・ミュージック』の歌の1つでした。そのため、今回は違うジャンルのものを選曲しました。曲のはじめには《ロックのリズムで明るく》と書かれ、途中で手拍子も入ります。 レッスン部門のソロ演奏とプエリカンタンテスの歌声のあと、みんなで歌いましょう。

付属音楽園・エクステンションセンター