エリザベト音楽大学は創立75周年を迎えます

〈初代学長 E.ゴーセンス神父〉

芸術は、人格の開発と表現のためにも、神との一致の道を切り開く人間相互の一致のための手段としても重要である。

ベルギー人のイエズス会士、エルネスト・ゴーセンス師は、原子爆弾による惨禍の中で、青少年に希望と励ましを、そして広島に文化の灯火をと、一つの小さな音楽教室を始めました。そこにはたちまち100人あまりが集まりました。広島での音楽教育の必要性を感じた神父は、翌1948年、本格的な音楽学校を開設します。本学の前身、「広島音楽学校」の誕生です。その後、ベルギー国故エリザベト王妃を後援者としてその御名を賜り、短期大学、4年制大学、専攻科、大学院修士課程を有する大学へと発展、1993年には私立音楽大学初の博士後期課程を設置しました。
設立当初から現在まで、カトリシズムの精神を指導原理とし、音楽の専門教育のみならず、西洋音楽の源泉であるグレゴリオ聖歌などの宗教音楽をも重視しています。
音楽教育を通じた人格完成・全人教育をめざし、広く知識を授け、良識ある音楽家を育成することが、本学の大きな特徴です。
そして、2023年の今年、エリザベト音楽大学は創立75周年を迎えます。

年譜

  1. 1947年
    広島音楽教室開設(現、エリザベト音楽大学付属音楽園)
  2. 1948年
    県公認広島音楽学校開校
  3. 1951年
    ベルギー国・故エリザベト王妃、本校の後援者となられ、校名をエリザベト音楽学校に改称する
  4. 1952年
    エリザベト音楽短期大学(2年制)開設初代学長にエルネスト・ゴーセンス就任
  5. 1954年
    宗教音楽専攻科(1年制)設置
  6. 1959年
    エリザベト短期大学と改称し、3年制の音楽科単科の短期大学に転進 さらに短期大学宗教科設置
  7. 1961年
    ローマ教皇庁立宗教音楽院と姉妹校となる
  8. 1963年
    学校法人エリザベト音楽大学開設、4年制大学に昇格、3年制短期大学と宗教科廃止
  9. 1965年
    東広島市西条町に付属音楽園西条教室開設
  10. 1967年
    宗教音楽学科増設
  11. 1976年
    声楽学科、器楽学科増設(計4学科)
  12. 1980年
    音楽専攻科(1年制)設置
  13. 1990年
    大学院音楽研究科修士課程設置、音楽専攻科廃止
  14. 1993年
    大学院音楽研究科博士後期課程設置
  15. 1998年
    創立50周年
    付属音楽園合唱団プエリ カンタンテス発足
  16. 1999年
    エクステンションセンター開設
  17. 2001年
    音楽学部学科改組、音楽文化学科と演奏学科設置
    付属音楽園ジュニアオーケストラ発足
  18. 2002年
    付属室内合唱団エリザベト シンガーズ発足
  19. 2003年
    音楽文化学科に幼児音楽教育専修(幼稚園教諭免許課程)開設
  20. 2004年
    AO特別選抜入学試験およびアーティスト21特別入学試験導入
  21. 2007年
    玉川大学通信教育部との提携により、在学中に小学校教諭二種免許状が取得可能となる
    文部科学省「特色ある大学教育支援プログラム」に「〈音楽家の耳〉トレーニング教育法の開発」が選定
  22. 2008年
    東広島市とエリザベト音楽大学を含む東広島市内の4大学との連携に関する協定を締結
    創立60周年、サービス・ラーニング海外実習開始
  23. 2009年
    文部科学省「大学教育・学生支援推進事業(テーマB)」に「五線譜から電子ポートフォリオへの転換によるキャリア支援教育」が選定される
  24. 2010年
    上智大学と学生交流協定を締結
  25. 2011年
    日本高等教育評価機構から平成22年度大学機関別認証評価の認定を受ける
    広島国際大学および広島女学院大学と包括協定を締結
  26. 2013年
    創立65周年、4年制大学開設50周年
  27. 2015年
    広島県および広島市と連携・協力に関する協定を締結
  28. 2016年
    新3号館竣工
  29. 2017年
    日本高等教育評価機構から平成29年度大学機関別認証評価の認定を受ける
  30. 2018年
    創立70周年、ASEACCU(東南・東アジアカトリック大学連盟)総会・学生会議開催
  31. 2019年
    セシリアホール開館40周年
  32. 2021年
    新型コロナウイルス感染症禍における学修機会の確保の好事例として、『令和2年度文部科学白書』にレッスン用パーテーションが紹介される
  33. 2022年
    東広島市と包括連携協定を締結
  34. 2023年
    創立75周年、本学教員をソリストに広島交響楽団との共演で記念演奏会を開催

建学の精神

大学の究極目的は、人間社会全体の形成であり、従って、個人の完成である。芸術は、人格の開発と表現のためにも、神との一致の道を切り開く人間相互の一致のための手段としても重要であることから、本大学は、人格完成を芸術、特に音楽の観点から強調するのである。
それゆえ、深く音楽芸術に関する理論及び技能を教授研究するとともに、広く知識を授け、良識ある音楽家を育成することを旨とする。

  1. 本大学は、カトリシズムの精神に基づいて創立され、かつそれを指導原理としている。
  2. 本大学は、カトリック・イエズス会の教育方針に従い、一般教育科目及び外国語科目にも力を注いでいる。
  3. 本大学は、すべての人々は兄弟・姉妹であるという精神から、家族的雰囲気をもととする学生1人1人とのきずなを教育の礎としている。
  4. 本大学は、一般音楽の他に、グレゴリアン・チャント、ポリフォニー及び現代宗教音楽などの教授・研究において他にみない特色を有している。
  5. 本大学は、国際的な友好関係のもとに維持されており、日本古来の文化と西欧文明との融合をその究極の使命としている。
  6. 本大学は、音楽芸術をとおして、神秘的観想の精神に達することを究極の教育理想としている。

教育理念

教養・実力・慈愛のある音楽家の育成

カトリシズム(普遍性)の精神に基づき、
幅広い教養・専門教育をとおして、
自分を高め、「他者のために生きる」人材を養成する。

音楽芸術および音楽教育に関する
理論、技能および実践の教授研究により、
真に芸術を愛し「美」の追求に真摯な人材を養成する。

平和を愛し、
地域社会および国際社会、とりわけアジア地域に
貢献する人材を養成する。


行動標語

音楽をとおして 私が変わり 世界を良くする人になる